ダブルライセンスを目指そう

ここからは、少し気が早いですが、行政書士試験に合格した後の話になります。

長期間にわたる受験勉強を無事やり切り、行政書士という難関試験を見事乗り越えたみなさんは、すっかり自信も付き、また「勉強する習慣」も体に染み込んでいることと思います。そんなみなさんには是非、その勢いと習慣を持続させたまま次なる挑戦、すなわちダブルライセンスを目指してもらいたいと思います。

行政書士というのは、それ単独でも十分に役立つ資格ですが、ダブルライセンスによって、いわゆる「鬼に金棒」状態となります。特に独立・開業を考えている方は、他の行政書士の先生と差別化を図る意味でも、ダブルライセンスは有効な営業戦略となります。

ダブルライセンスのメリットは?

ダブルライセンスで兼業するメリットは何でしょうか?
顧客側から見れば、単純に便利という印象があります。
相続の相談に行く場合を考えてみましょう。

遺産分割協議書は、行政書士事務所で作ってもらうことができます。
相続税の申告はしてくれません。
税理士兼行政書士の事務所であれば、両方の依頼が一回で済みます。

つまり、「うちのおばあちゃんが亡くなったのだけど、相続人はこの人とこの人で、遺産はこれとこれとこれがあって、相続人の一人は5年前から音信不通で・・・」といった個人情報事項を話す手間が、一回で済むという事です。
事務所側から見れば、一人(または一社)からの仕事量が多くなるというメリットがあります。つまり一回の営業で、2つの仕事を受注できる結果になるのです。

ダブルライセンスのデメリットは?

ダブルライセンスのデメリットは、まず第一に会費が高くなることがあります。
行政書士も司法書士も税理士も社会保険労務士もそれぞれ、行政書士会や司法書士会といったところに所属し、毎月の会費を納める必要があります。

こうした会への所属は、法律によって強制されていて、会に所属しないと仕事自体ができません。
だから、資格をいくつも使う場合は、それに応じて、毎月の経費もかかるわけです。

第二に、その事務所の専門業務がはっきりしなくなることがあります。
資格の組み合わせにもよるが、あれもこれもやっていると、「一体、この事務所の本業は何なんだ?」と思われることがあります。
ダブルライセンスで業務をする場合は顧客に不安感を抱かせないよう、行政書士業務も他士業の業務もプロフェッショナルである旨をわかりやすくプレゼンテーションする必要があります。

行政書士におすすめのダブルライセンス

司法書士

行政書士とのダブルライセンスでもっとも定番なのが司法書士です。事実、この2つの資格を取得して「○○司法書士・行政事務所」の看板を掲げている人は少なくありません。
司法書士も行政書士同様に、法的な書類を扱う資格ですが、登記・供託業務を専門としており、行政書士とのダブルライセンスによって、取り扱うことのできる業務の幅を広げることができます。

社会保険労務士

同じ法律関係の資格でも、社会保険労務士は人事・労務分野に特化した資格となっており、たとえば試験科目の共通性などはありません。
そのため、取得するのはややたいへんかもしれませんが、業務の親和性は高いので、取得できれば、大きな相乗効果を発揮することができます。

宅建

行政書士として独立・開業する際に、不動産分野のサービスを中心に考えている人にとっては必須の資格と言えるでしょう。
中心科目である「民法」が共通しており、試験の難易度的にも決して難しくはないので、行政書士試験の勉強と並行してダブルライセンスを目指すことも不可能ではありません。

FP

FPは金融関係の資格であり、行政書士の業務とは直接は関係ありません。しかし行政書士のお客さんのなかにも、金融に関する相談ニーズは確実にありますので、この資格を持っていることで、提供するサービスの付加価値を高めることができます。