社会保険労務士の勉強全般についてこれまで紹介してきましたが、それでは社会保険労務士の試験科目とはどのようなものなのでしょうか? まずは敵を知り、しっかりとした対策を考えて試験勉強を進めていきましょう。

社会保険労務士の試験内容と試験科目

社会保険労務士の試験科目は大きく分けて2種類、社会保険労務士試験の試験科目を大別すると、労働関連の科目と社会保険関係の科目の2種類に分けることができます。科目名の詳細と試験の配点は以下の表のとおりです。

試験科目 択一式 選択式
労働関係科目 労働基準法及び労働安全衛生法 10問(10点) 1問(5点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点) 1問(5点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点) 1問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 10問(10点) 1問(5点)
社会保険関係科目 社会保険に関する一般常識 1問(5点)
健康保険法 10問(10点) 1問(5点)
厚生年金保険法 10問(10点) 1問(5点)
国民年金法 10問(10点) 1問(5点)
合  計 70問(70点) 8問(40点)

試験科目上は8科目ですが、1科目に2科目分の内容が含まれている科目もあり、実際に勉強しなければならない科目は10科目にものぼります。ピンと来ないかもしれませんが、大学入試センター試験で受験する科目数ですら、多くても5教科6科目か7科目だったことを思い出してみてください。

■合計点と各科目の得点、いずれも「基準点」を超えなければ不合格
社会保険労務士試験には、合格の基準が設けられています。択一式と選択式のそれぞれの試験で「総得点基準点」と「科目別基準点」が設定され、基準点以上の得点ができれば合格となります。この基準点が何点になるかはその年によって異なりますが、概ね以下の表の範囲内で推移しています。

総得点基準点 択一式 41~48点
選択式 21~28点
科目別基準点 択一式 1科目 4点
選択式 1科目 3点

つまり、確実に合格するためには、総得点で7割以上を確保し、そのうえで択一式は4割以上、選択式は6割以上をとれるようにしておく必要があるわけです。

社会保険労務士試験の受験資格

社会保険労務士試験には受験資格が設けられており、誰でも自由に受けることができるわけではない点に注意をしておいてください。当たり前のことではありますが、試験対策の準備に入る前に、自分には受験資格があるのかないのか、しっかりチェックをしておきましょう。

注目していただきたいのは、社会保険労務士の資格対象枠が年々拡大されていることです。社労士の試験も、学歴等の受験資格で受験者をふるいにかける制限ある試験から、素養のある受験生に広く門戸を開く方向へと改革が進んでいます。
「自分には受験資格がない」と思い込んでいる方にも、「ある」場合があります。詳しく調べてみるようにしましょう。

社会保険労務士試験の受験資格は、大きく「学歴」「職歴」「国家試験合格者」の3つで区分されています。改革(受験資格の変更)が進められているのは、国家試験合格者の枠です。
詳細は全国社会保険労務士会連合会のホームページにありますが、これですと文書が難解で理解しにくいかと思いますので、噛み砕いて3つのルートをご説明してみます。

学歴によるもの

  • 4年制大学で一般教養科目の学習が終わった方(在学中も方も含む)
  • 大学(短期大学を除く)において62単位以上を修得した方
  • 短期大学又は高等専門学校を卒業した方
  • 就業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した方

※高専・短大卒以上の学歴をお持ちの方なら問題はないということですね。

職歴によるもの

  • 社会保険労務士又は弁護士業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上
  • 国家公務員又は地方公務員として行政事務に従事した期間が通算して3年以上の方

※職歴による受験資格はほかにも設けられています。社労士事務所や弁護士事務所で働いた経験をお持ちの方、また現在公務員の方は詳細を確認してください。

資格によるもの

  • 社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
  • 司法試験第一次試験又は高等試験予備試験に合格した者
  • 行政書士となる資格を有する者

※の厚生労働大臣指定の国家試験がチェックしてほしい箇所です。全社連のホームページからごく一部を拾い上げてみますと、国家公務員採用Ⅰや国税専門官採用試験など非常にハードルの高そうな資格から、旧栄養士試験、旧薬剤師試験、ガス主任技術者試験、特級ボイラー試験、1・2級土木施工管理技士などなど、一般によく知られている国家資格が受験資格の対象になっています。

最終学歴が高卒の方(受験資格がない)方の場合、比較的取得が容易な国家資格を目指すのが一番の近道かもしれません。